なぜ集中力は続かないのか?人事が見落としがちな「デジタル疲労」という健康課題
- 水谷 友洋

- 1月24日
- 読了時間: 3分
最近、「集中力が続かない」「ミスが増えた」「考えるスピードが落ちた」といった声を、現場や管理職から聞く機会が増えていないでしょうか。
睡眠不足や忙しさが原因だと思われがちですが、実はそれだけでは説明できないケースも少なくありません。
働き方がデジタル中心になった今、気づかないうちに蓄積しているのが「デジタル疲労」です。本記事では、個人の努力論に寄せすぎず、企業視点で捉えたいデジタル疲労の考え方と、今日から意識できる視点を整理します。
第1章:集中力低下の正体は「脳の疲れ」かもしれない

なぜ起きるのか
人は一日中、判断・選択・情報処理を繰り返しています。特にデジタル環境では、通知・メール・チャットなどが常に注意を分断します。この状態が続くと、脳は休まる時間を失い、結果として集中力や判断力が落ちやすくなります。
職場でよくある例
・会議中も通知が気になり、話が頭に入らない
・短時間の作業でも異様に疲れる
・資料を読んでも理解に時間がかかる
今日から意識できる視点
集中力の問題を「本人の能力」や「やる気」に結びつけず、脳の使われ方として捉えることが第一歩です。
第2章:デジタル疲労は「休めば回復する」とは限らない

なぜ起きるのか
休憩時間にスマートフォンを見続けると、身体は休んでも脳は刺激を受け続けます。その結果、「休んだはずなのに疲れが残る」状態が生まれやすくなります。
職場でよくある例
・昼休みにSNSや動画を見て、午後に眠くなる
・在宅勤務でオン・オフの切り替えが曖昧
・常に情報を追い続けている感覚がある
今日から意識できる視点
休憩=何もしない時間ではなく、脳への刺激を減らす時間と捉えることが重要です。
第3章:企業施策として考えたい「デジタルとの距離感」

なぜ重要なのか
デジタル疲労は個人の工夫だけに任せると、実行率に差が出やすく、形骸化しがちです。一方、企業として共通の考え方を示すことで、職場全体のコンディションを底上げできます。
よくある誤解
・スマホ禁止=厳しいルール
・デジタルデトックス=非現実的
実際には、「完全にやめる」必要はありません。
今日から意識できる視点
・会議中は通知を切る前提を共有する
・短時間でも画面を見ない休憩を推奨する
・研修や社内発信で理由を説明する
このような設計だけでも、職場の集中環境は変わり始めます。
第4章:筆者の考え
デジタル疲労の話をすると、「結局は本人の意識次第」という結論に寄ってしまうことがあります。しかし、私はそれだけでは不十分だと感じています。なぜなら、今の働き方そのものが、脳を休ませにくい構造になっているからです。
情報に触れ続けることが前提の仕事環境では、「何もしない」「考えない」時間を意識的に作らない限り、脳はずっと働き続けます。これは根性論では解決できません。
企業としてできることは、デジタルを否定することではなく、使い方の前提を整えることです。例えば、「休憩は画面から離れる時間」という共通認識を持つだけでも、社員は安心して切り替えやすくなります。
健康施策というと、運動や睡眠が注目されがちですが、デジタルとの付き合い方も、これからの時代には欠かせない視点です。小さな設計の積み重ねが、結果として集中力や生産性の安定につながると考えています。



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