在宅勤務で集中力が続かない理由|体内時計の乱れが生産性を下げる仕組み
- 水谷 友洋

- 1月13日
- 読了時間: 3分
在宅勤務が定着してから
「以前より集中力が続かない」「午前中から頭がぼんやりする社員が増えた」
そんな声を、人事・総務の方から聞くことが増えました。
業務量は変わっていないのに、なぜかパフォーマンスが安定しない。
その背景には、本人も気づきにくい「体内時計の乱れ」が関係しているケースがあります。
これは個人の意識や気合の問題ではなく、働き方の構造上、起こりやすい現象です。
第1章|在宅勤務で体内時計が乱れやすい理由
体内時計(サーカディアンリズム)は
「光・活動・食事・睡眠」のリズムによって整えられています。
在宅勤務では、
・起床時間が日によってズレる
・朝日を浴びる機会が減る
・通勤という強制的な活動がなくなる
といった変化が起きやすく、体内時計をリセットする合図が弱くなります。
その結果、「起きているのに脳が完全に起動していない」という状態が
勤務時間中に起こりやすくなります。

第2章|職場でよく見られる具体例
例えば、こんなケースです。
・始業ギリギリに起きて、PCを開く
・午前中は簡単な作業しか進まない
・午後になってから徐々に調子が出る
・夜はなぜか目が冴えてしまう
本人は「夜型だから」「最近忙しくて」と捉えがちですが
実際には生活リズムのズレが固定化していることも少なくありません。
企業側から見ると
・会議の質が下がる
・判断が遅くなる
・ミスが増える
といった形で、生産性に静かに影響します。
第3章|今日から意識できる“整え方”の視点
対策は、決して難しいものではありません。
あくまで考え方としての一例ですが、重要なのは次の視点です。
・起床後、できるだけ早く自然光を浴びる
・始業前に「体を動かす行動」を固定する
・平日と休日の起床時間差を広げすぎない
ポイントは、「意志」ではなく「環境と順番」で整えることです。
個人任せにすると続きにくいため
企業としては「考え方」を共有するだけでも十分意味があります。

第4章|筆者の考え
体内時計の乱れは、本人が「体調不良」や「不調」と強く自覚する前に、まず集中力・判断力・感情の安定といった仕事の質に影響しやすい特徴があります。
そのため多くの場合、「なんとなく調子が出ない」「以前より疲れやすい気がする」といった、曖昧な違和感として現れます。
ここで重要なのは、これは意欲や自己管理能力の問題ではないという点です。
在宅勤務という働き方そのものが
・朝の光・活動の切り替え
・生活リズムの境界を弱めやすい
構造になっている以上、誰にでも起こりうる現象だと考えています。
だからこそ、「もっと意識しよう」「気をつけよう」と伝えるだけでは
根本的な解決にはつながりにくいのが実情です。
私自身、健康やパフォーマンスについて学ぶ中で感じているのは、人は理解できたことよりも、納得できたことの方が行動に移しやすい、という点です。
体内時計の話も、「正しい生活をしましょう」という指導ではなく、
「なぜ今の働き方だと乱れやすいのか」「整うと、仕事にどんな変化が出やすいのか」という因果関係を知ってもらうことが大切だと考えています。
健康施策においても同様で、一部の意識が高い人だけが実践する対策ではなく、多くの社員が“自然に理解できる土台”をつくることが重要です。
体内時計は、睡眠・集中力・メンタルのすべてにつながる基盤です。
まずこの土台を共有することで、個別の施策や研修内容も、押し付けではなく「自分ごと」として受け取られやすくなる。
その意味で、体内時計は健康施策や研修を考える際の、最初の入口として非常に扱いやすいテーマだと感じています。



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